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こだ☆わり
 こんにちは!すっかり秋になりましたね。
涼しくって、爽やかで、ケーキも美味しい季節です。

今日はまだ発表できるような新商品はないのですが、せっかく静かな秋の夜長ですので、僕のケーキのデザイン、というかデコレーション、というかルックス?意匠?見た目!への「こだわり」について管を巻いてみようと思います。
べっ べつに暇なわけじゃないですよ。
レベル上げしなきゃいけないモンスターはいっぱいいるんですからっ!!


さて、とはいったものの、正直デザインやデコレーションに対するいわゆる「こだわり」というものはあまり無くってですね。
綺麗なケーキを提供する、というのは大前提として、心掛けていることは、

1!ケーキの味を損なわない!

2!シンプルイズベスト!

3!フルーツは切り刻まない!キウイフルーツは飾らない!

くらいでしょうか。
主義とかこだわりとかというよりは、職人やってるうちに行きついた。という感じですね。

ですので、ありがたいことによくうちのケーキはきれいとか、都会的とか、洗練云々とか、お褒め頂くことが多いですが、なにせ凝ったことなど何もしていないし、ちょっと意外というか、気恥ずかしい感じ、少し申し訳ない気もします。

ただ、何も考えていないわけではないですよ?
皆さんはそんなに考えてケーキを召し上がるわけではないと思いますが、ケーキ屋側としては、それなりに考えたうえで一つのケーキを調えているということを、少し聞いてやってください。

まず、3!フルーツは切り刻まない!キウイフルーツは飾らない!

 これはそのまま、そういうことです。
果物も野菜も、肉も魚も、往々にして包丁を入れないほうがいいのは明らかです。
時間とともに風味は飛び、乾燥していきますからね。

キウイは、ただ僕があまり好きじゃないのと、タンパク質の分解酵素を含んでいるので接触しているクリーム等が劣化してしまうことですね。
みんな大好き!というものでもないし、特に何かと合うというわけでもない、彩りならハーブやピスタチオで代用できるし。。
ケーキにキウイを飾るというのはちょっと、個人的に許せないことのひとつです。
異論は認めます!!

そして2!シンプルイズベスト!

「シンプルなものこそ美しい」これは至言ですね。
僕の一番のお気に入りは、この銀箔をあしらっただけのものや

(ちなみに、このような形に興味を持たれる方は多く、どうやって作るのか?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、手品と同じようにタネがわかってしまっては面白さは半減してしまうものです。。  疑問を楽しみながら、美味しく召し上がってくださいませませ。)

そして、この2種類のチョコレートを貼りつけただけのもの

すっきりしているからこそ、都会的で美しいと思うのです。

そもそも僕は手先がとても不器用なので、あまりチマチマした細かい作業には向いていませんし(笑)。
なるべく色とりどり、カタチとりどりなものを並べたい!とは思うのですが、技術的な問題や物理的な問題、ひとりですべて作ってる以上なかなかデコレーションだけに手を掛けられないなんていう大人の事情もあったりしますし。。



そして1!ケーキの味を損なわない!
   これはですね、もう言葉通り、デザインやデコレーションは味に付随するものだということですね。
   まずは、「どういう味を求めるか」が最重要なので、それを損なわないデコレーションをしていく、

例えば、シロップやリキュールをたっぷり染み込ませた「サバラン」も、

シロップ、リキュールと一緒にカップに入れて、大切な香りとアルコールが飛ばないように、生クリームで蓋をしています。
生クリームが陥没してしまうので、重いものは飾れません。

こちらの「アロマティーク」も

中心にとろっとしたものを仕込んでいるので、沈まないように表面にはあまり重いものを飾ることができません。
なので、ケーキ自体に模様を写して、華やかに仕上げています。

というように、理想の味を求めると、デザインやデコレーションに制約が出来てしまうことが多いので、結果的にシンプルになってしまいます。

こちらの「アマルテア」もパッションフルーツのソースを使いたかった結果・・・
ムースの中心を窪ませてソースを入れると、残された周囲の部分に飾れるものは限られてしまいます。要は、載せられなかったのです。


そうそう、カタチのことも然り。
みなさまが召し上がるときにはあまり意識はしないかもしれませんが、「ケーキをひとくち口にしたときの味のバランス」というのも大事な要素のひとつです。

上の画像☝のケーキの場合、まず!
通常ひと口目は外側の2層のクリーム部分に上から下にフォークを入れて口に入れますよね?
そして、二口、三口、と食べていくと、食べる部分の味の構成が変わっていって飽きずに、風味や食感の変化を楽しみながら食べられるように作られています。

丸いケーキの場合、たいていは外側から中心に向かって食べていくという「丸い形でなければ出せない味」の場合です。

そしてこのような↓

場合も、ふつうは上から下にフォークを入れたものを一口として食べるので、
タテに食べた時に楽しめるように、上下の層に色々な風味や食感を重ねていくわけです。
もちろん表面のチョコレートプレートも味と食感のうちですから、剥がさないで一緒に召し上がってください。
子供のころ好きだった、「パリパリチョコ入りジャンボ最中アイス」的なものも、パリパリチョコがあるから美味しいわけで。
「ポッキーのチョコだけ舐めてハダカのビスケットを露わにしてしまう」なんてのは、いち製作者としては反対です!

というような感じでですね、意外かもしれませんが、「ルックス重視」のように見えて実は「性格重視」なハルヨコヤマのケーキでした。
て、手抜きなわけじゃないですよ!種々の制約と戦いながら、なるべくきれいなものをと考えてはいます。

ちなみに、ショーケースに並べるときはなるべく色や形が似たものが隣同士にならないようにスタッフに並べてもらっています。
そうするとこのように↓

色とりどりでまるで宝石箱のよう!!(自分で言うのもなんですが)


さらにちなみに、いつも使って下さるお客さまはきっと見慣れているのでいつも通りに選んで買っていかれますが、初めていらっしゃったと思しきお客さまは、ショーケースを見てとても笑顔になってくださいます。
なので、なんとなくわかります(笑)。
僕も、とても嬉しい瞬間のひとつです。






 
| - | 21:04 | comments(6) | trackbacks(0) | pookmark |
コメント
モンブランの画像確認しました!(^^)!
「洗練された」印象があるのですが、そういう風に取り組んでいるのではなく、「シンプルに・味を損なわない」等の心意気がケーキに出るんでしょうね!(^^)!
先月誕生日に頼んだ大きなモンブランをお店で見たとき、「わーい」と笑顔になりましたよ(^^♪
| ふみふみ | 2013/10/16 9:05 AM |
>ふみふみさま
いつもコメントありがとうございます!
そうですね。ご予約のケーキをお受け取りにいらしたお客さまの笑顔もすごく嬉しいことのひとつです!
僕はあまりその機会には恵まれませんが。。
ぜひまたお越しください!
| hal-yokoyama | 2013/10/16 6:10 PM |
楽しく文章読ませてもらいました。
ケーキの味を再優先した哲学をお持ちなんですね(^_^)
食べるシーンまで想定してらっしゃるのは驚きでした。
アロマティーク断面の写真が美しすぎます・・。
リクエストに答えて下さってありがとうございます!
写真を見ていると無性に食べたくなってきました!
明日にでも買いにいきます笑
| ss | 2013/10/26 2:50 PM |
>ssさま
コメントありがとうございます。
読んで頂いてありがとうございました!
拙い文章ですがお伝え出来ていれば嬉しいです。
いつでもいらしてください!
ご来店お待ちしております。
ありがとうございました!
| hal-yokoyama | 2013/10/29 12:06 AM |
はじめまして。
先日はじめてお店に伺いました。

ケーキの中でもムース系が大好きな私には天国のようなショーケースで、選ぶのにかなり悩みました(嬉)。

ここを読んでいたのでアロマティークを食べたかったのですが見あたらなかったので、バナナとキャラメルのムース(名前失念しました)とアマルテアをいただきました。
ムースそれぞれも美味しいのですが、全てが合わさったお味まで計算されているのがわかって本当に感動する美味しさでした。

私がいちばんいいなと思ったのは、底のタルト生地です。
そのまま食べても焼き菓子として成立するくらい美味しい。
細部にまで気を使っていらっしゃるのが素晴らしいです。

また近いうちに伺います。



| あやめ | 2013/12/17 4:34 PM |
>あやめさま
初めまして、こんばんは。
ご利用ありがとうございます。
お口に合ったのでしたら嬉しいです(嬉!)。

そしてさすが!ですね、「アマルテア」と「ラミティエ」の底に敷いているタルトの生地は、焼き菓子として並べて売っている「バニラのクッキー」と同じ生地を薄く延ばして毎朝焼いているものです。
こういった細かいところにまで気づいて下さるお客さまがいてくださるのは本当に嬉しく、幸せに思います。
コメントありがとうございました!
またのお越しをお待ちしております。

| hal-yokoyama | 2013/12/19 2:40 AM |
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